ジブリ映画

歴代のジブリ映画の一覧

スタジオジブリの歴代の作品一覧です。 「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」など初期の映画から最新作まで、 歴代の劇場版アニメをリスト(年表)にしました。 あらすじ(ネタバレ注意)や解説。 Youtube予告編やストリーミング動画配信へのリンクもあります。 宮崎駿や高畑勲の監督作品をはじめ、 いつまでも色あせない名作の数々をお楽しみ下さい。 (キネヨコ編集部)

2020年代2010年代2000年代1990年代1980年代

2020年代
2020年代
作品名 あらすじ、解説など
「君たちはどう生きるか」

(2023年ごろを想定)
【監督】宮崎駿

2013年の「風立ちぬ」を最後に引退すると宣言した宮崎駿監督が、引退を撤回して製作に臨んだ。

作品の題名は、吉野源三郎の同名の小説(1937年)から来ている。 この小説は東京に住む中学生が主人公。 2017年に漫画版「君たちはどう生きるか」(羽賀翔一)が、大ベストセラーとなった。

映画はこの小説を基にするのではなく、 この本が主人公に大きなインパクトを与える設定になるという。 オリジナルの冒険活劇ファンタジーになる。
「アーヤと魔女」

(2021年8月27日公開)

予告編→

アーヤと魔女
【監督】宮崎吾朗

ジブリで初めての3DCG。NHKの地上波で2020年12月30日に放映された。 そのテレビ版にない映像を加えて、劇場版として公開された。 2021年4月29日に劇場公開予定だったが、コロナウイルスの影響により延期になった。

2020年代2010年代2000年代1990年代1980年代ページの先頭↑

2010年代
作品名 あらすじ、解説など
「レッドタートル ある島の物語」

(2016年)

予告編→

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レッドタートル ある島の物語
【長さ】1時間21分
【監督】マイケル・デュドク・ドゥ・ビット
【あらすじ】嵐の中、荒れ狂う海に放り出された男は、奇跡的にある島にたどり着く。 砂浜と岩盤、小高い丘と竹に似た草木の林があるだけの無人島。 名もなく、「ある島」と呼ぶしかない島。男も名のない「ある男」で、職業、国籍も分からず、海を漂っていた理由も説明されない。全編セリフもない。主人公はただ、自然と向き合うしかない。 自力で筏を作り、島からの脱出を試みるがことごとく失敗。 見えない力によって何度も島に引き戻される。そんな絶望的な状況におかれた男の前に、ある日一人の女が現れる。

【説明】ジブリがフランスの映画会社と製作した。 ジブリとして初めての国際共同製作となった。 国際的に高く評価され、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で特別賞に輝いた。
オランダ人監督、マイケル・デュドク・ドゥ・ビットはこれまで5本の短篇映画を手掛けてきたが、2000年に発表した「岸辺のふたり」ではアカデミー賞短篇アニメーション映画賞をはじめ、アヌシー国際アニメーション映画祭、広島国際アニメーションフェスティバルなど世界各国の賞を受賞した。 そんな同作を観たスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーがマイケル監督に長篇制作を打診、尊敬する高畑勲監督から長篇映画の制作について助言を受けることを条件に、本作の企画がスタートした。 ビット監督にとっては62歳にして長編第1作となった。 構想10年制作8年。妥協知らずの芸術家による国境を超えたコラボレーションの結晶となった。ビット監督らしい奥行きのある世界観が、今回も踏襲された。そして、ジブリの協力を得た成果は、より豊潤になった映像に見事に結実している。

【受賞歴】2016年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門特別賞。アニー賞インデペンデント最優秀長編作品賞を受賞。
「思い出のマーニー」

(2014年)

予告編→

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思い出のマーニー
【長さ】1時間43分
【監督】米林宏昌。

米林監督は1973年生まれ。 アニメーターから監督に抜擢され、2010年の「借りぐらしのアリエッティ」でデビューした。 「アリエッティ」は宮崎駿の企画・脚本による作品だった。 本作は長編アニメ映画の2作目。 長編アニメの製作から引退した宮崎から次代を託された。 西村義明プロデューサー。 宮崎、高畑監督、鈴木敏夫プロデューサーらジブリの巨匠たちから学んだことを踏襲しつつ、新しさを追求した。

【説明】原作は、イギリス児童文学『思い出のマーニー』。 ジョーン・G・ロビンソンの古典的な名作である。 それを、夏の北海道を舞台にしてアニメで描いた。 主人公は、寂しさを一人ぼっちで抱えこんでしまった女の子。 そんな彼女は、謎めいた少女マーニーと出会う。 主人公の少女の成長を軸に、マーニーの正体を巡るファンタジーとミステリーが展開される。 ジブリ作品は活発で気の強い女の子が登場したり、躍動感ある話が特徴だったが、少女たちの心の揺れを描く繊細さが特徴。 杏奈の心を反映するような繊細な背景描写も見どころ。

【あらすじ】主人公の名前は杏奈。年齢は12歳。声優は高月彩良(さら)。 彼女には友だちがいない。 幼くして両親を失い、養父母と暮らしてきた。 あることが原因で心を閉ざしてしまった。 表向きは普通な顔をしていても、持病のぜんそくが悪化するなど、内なる葛藤は隠せない。 都市部にある自宅を離れ、養母の親戚が住む海辺の村で療養することになる。 そこで彼女の心を引きつけるのが、入り江に面して立つ無人の邸宅、通称「湿(しめ)っ地屋敷」。見たこともないはずなのに知っている気がする。 そしてある晩、その屋敷から飛び出してきた金髪の少女マーニー(声・有村架純=かすみ=)に出会い、なぜかすぐ仲良くなる。
マーニーとの出会いを経て、誰かに愛され、自らも愛する喜びを再発見し、成長していく。
「かぐや姫の物語」

(2013年)

予告編→

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かぐや姫の物語
【長さ】2時間17分
【監督】高畑勲
【説明】ジブリの発起人の一人だった高畑勲監督の遺作。スケッチ画のようなタッチで描かれている。 「日本の絵画史、アニメ史の積み重ねをふまえたうえで、圧倒的に強いビジョンを持つ高畑監督のもとに優れたクリエイターが集まって成し遂げた偉業」(宇多丸)などと称賛された。

高畑勲監督が「となりの山田くん」以来14年ぶりに指揮した新作アニメ映画。 感動ファンタジー。 日本最古の物語文学「竹取物語」を、新たな解釈で描き出した。 かぐや姫は何のために地球にやって来たのか、月へ帰ることをあれほど嘆き悲しんだのはなぜか――。 独自の視点と斬新な映像で表現している。

高畑監督が本作のアイデアを思い付いたのは50年以上前。 当時勤めていた東映動画で「竹取物語」のアニメ映画化が計画された。 結局は実現しなかったが、このとき、高畑監督は考えた。 かぐや姫はなぜ、地球に来て、月に帰らなければならなかったのか。原作には「なぜ?」に対する明確な答えは見当たらない。それらしい描写があるものの、高畑監督は納得いかなかった。 「原作にはかぐや姫が月で罪を犯し、この地に下ろされたとある。その罪が一体何かを示せば、もっと面白い物語になる」と考えたという。

普通のアニメが輪郭線をつなげるのに対し、あえて線と線をつなげず、スケッチのような描写にこだわった。 高畑監督は前作の「ホーホケキョ となりの山田くん」でもこの表現方法を採用したが、本作ではさらに一歩進め、線自体が持つ勢いを前面に打ち出した。

【あらすじ】 かぐや姫は、竹の中から生まれた。 翁(おきな)と媼(おうな)に育てられる。 赤ん坊はみるみる成長していく。 けらけら笑う幼子と彼女の成長を見守る翁と媼の幸福感はこの上ない。少女になってからは山を駆けたり、年上の少年に好意を抱いたり。
順調に成長して美しい娘になる。都に連れて行かれる。姫は屋敷に閉じ込められ、姫君になるための教育を受ける退屈な日々が続く。 高貴の求婚者たちの思惑に幻滅し、幸福感がどんどんそがれていく。

【受賞歴】2013年毎日映画コンクールのアニメ映画賞
「風立ちぬ」

(2013年)

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風立ちぬ
【長さ】2時間6分
【監督】宮崎駿
【説明】 関東大震災や恐慌を経て戦争に突入していく時代に、夢に向かい懸命に生きた人々を描く。実在の人物を基に、宮崎作品の特徴であるファンタジー色を抑えた異色作。

物語の主人公は、零戦(ゼロ戦)を設計した航空技術者・堀越二郎と、文学者・堀辰雄という実在の2人をミックスさせたキャラクター。 しかし、ストーリーは完全なフィクション。 1930年代の日本が舞台。関東大震災(1923年)から第2次世界大戦にかけての大正・昭和初期。 人々が貧しさと病気に苦しみ、軍靴の音が聞こえる暗い時代である。

宮崎駿監督が自ら書いた漫画が原作となった。2009年から大人の模型ファン向け雑誌「月刊モデルグラフィックス」誌に連載した。 鈴木敏夫プロデューサーに映画化を提案された宮崎監督は「どうかしているんじゃないかと思った」とか。 その鈴木プロデューサーは「戦闘機が大好きで、戦争が大嫌い」な宮崎監督を何度も説得したという。

【あらすじ】物語は主人公の夢の世界に始まる。 主人公・堀越二郎は「美しい飛行機」の設計に情熱を注ぐ一方、震災下で出会ったヒロイン・菜穂子とのちに再会する。 なぜ、二郎は飛行機の設計に没入していったのか。

【興行成績】スタジオジブリとして「崖の上のポニョ」以来の興行収入100億円突破を記録した。

【受賞歴】2014年日本アカデミー賞アニメ作品賞
「コクリコ坂から」

(2011年)

予告編→

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コクリコ坂から
【長さ】1時間31分
【監督】宮崎吾朗
【説明】 ストレートな青春恋愛賛歌である。

宮崎吾朗監督の2作目となる。 デビュー作「ゲド戦記」に続いて5年ぶりに監督を務めた。 宮崎吾朗は、宮﨑駿の息子さん(長男)である。 宮崎吾朗は当時44歳だった。 前作「ゲド戦記」完成後、東京の「三鷹の森ジブリ美術館」業務に専念していた。 企画・脚本は宮崎駿が手掛けた。

高度経済成長期の横浜が舞台となっている。 1963年、東京オリンピック前夜。 坂本九の「上を向いて歩こう」が街中に流れていた時代だ。 若者の間では、学生運動が盛んだった。

主人公は、16歳の少女、海(うみ)。現役の女子高生。 港の見える高台の「コクリコ荘」で暮らしている。 コクリコ荘は、庭にコクリコ(フランス語でヒナゲシ)が咲く自宅兼下宿屋だ。

少女・海は毎朝、朝鮮戦争中に海で死んだ父を思いながら「安全な航行を祈る」という意味の信号旗を揚げる。 同じ高校の先輩・俊は、養父が操舵(そうだ)するタグボートからいつもこの旗を見ていた。 海は上級生の俊に心ひかれる。 しかし、互いの出生の秘密に心をまどわせる。 それでも背筋を伸ばし、おんぼろ部室の撤去反対運動など、にぎやかな日々と向き合っていく。

原作は同名の少女漫画(高橋千鶴、佐山哲郎作)である。 1980年代に『なかよし』で連載された。 宮崎駿は、この漫画の大ファンだったという。 そして、駿は台本を執筆(丹羽圭子との共同脚本)した。 舞台や時代設定は、原作と異なる。

舞台となった1963年のころ、 宮崎駿は20代の若者だった。 息子の吾朗はまだ生まれていなかった。

宮崎吾朗監督が、父の脚本をもとに絵コンテを描き演出した。 まさに父と子の共同作業によって生まれた。

声優は長沢まさみ、岡田准一など、個性に富んだ顔ぶれ。

走るクルマ、電車、船に至るまで時代を忠実に再現した。 昭和を体験した世代はノスタルジックな映像に胸が熱くなる。 (目黒隆史郎)

【受賞歴】2012年日本アカデミー賞アニメ作品賞
「借りぐらしのアリエッティ」

(2010年)

予告編→

TSUTAYA→

借りぐらしのアリエッティ
【長さ】1時間34分
【監督】米林宏昌
【説明】 主な登場人物は2人。 1人は古い屋敷の床下に暮らす小人のアリエッティ。一家の長女である。 そしてもう1人は、人間の少年・翔(しょう)。 この2人の冒険と小さな恋が描かれる。青春ストーリー。

原作は児童文学「床下の小人たち」。 1952年にイギリスで出版された。 作者はメアリー・ノートン。 カーネギー賞を受賞している。

この小説をもとに、宮崎駿が企画と脚本を手掛けた。 舞台は1950年代の英国ではなく今の日本だ。

アリエッティは、両親とともに人間に見つからないよう用心深く、しかし砂糖やティッシュなど生活に必要なものは人間から拝借する“借りぐらし”をしている。 ある日、心臓の具合が悪くて、この祖母の家に静養にやってきた翔にアリエッティは姿を見られてしまう。そこからドラマが始まる。

米林監督は、ジブリの映画では最年少となる37歳で監督デビューを飾った。 米林はそれまで「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」の原画を担当。「崖の上のポニョ」では、巨大な波の上をポニョが走るシーンなどで高い評価を受けた。

【受賞歴】2011年日本アカデミー賞アニメ作品賞

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2000年代
作品名 あらすじ、解説など
「崖の上のポニョ」

(2008年)

予告編→

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ポニョ
【長さ】1時間41分
【監督】宮崎駿
【説明】 海に棲む魚のポニョと5歳の少年・宗介の交流を描いた物語。宮崎版人魚姫と言える作品。  

「もののけ姫」(1997年)以来使用していたCGを封印した。 本作で重要な役割を果たす海や波などは、すべて手描き。 ジブリはキャラクターの動作や背景を緻密(ちみつ)に表現することにこだわってきたが、鈴木敏夫プロデューサー(当時59歳)は「人の手で描くことの温かさへの挑戦だ」と原点への回帰を強調した。その分、総原画枚数が増えた。上映時間1時間40分のだが、2時間5分の「千と千尋の神隠し」(2001年)の11万枚を上回った。

宮崎監督は約150人のスタッフと製作に取り組んだ。歌手の矢野顕子が声優として参加した。

【受賞歴】2009年日本アカデミー賞最優秀アニメ作品賞を受賞。
「ゲド戦記」

(2006年)

TSUTAYA→

ゲド戦記
【長さ】1時間55分
【監督】宮崎吾朗
【説明】 宮崎駿監督の長男、吾朗監督のデビュー作。アニメの世界では珍しい二世監督の誕生となった。

大賢人ゲド(声・菅原文太)と王子アレン(岡田准一)。 2人が旅をするのは、農民が田畑を捨て、職人が技をなくした世界。 町には人身売買が横行し、麻薬中毒者がうずくまる。 いわゆる「世も末」である。しかもアレンは、突然キレて父を刺し、行くあてもなく国を出た悩める少年だ。

米国の女性作家アーシュラ・K.ルグウィン作のファンタジー文学の傑作を映画化した。冒険ファンタジー。
「ハウルの動く城」

(2004年)

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ハウルの動く城
【長さ】1時間59分
【監督】宮崎駿
【説明】 英国のダイアナ・ウィン・ジョーンズの児童文学が原作。舞台は19世紀末のヨーロッパ。18歳のソフィーは、魔女の呪いで、90歳のおばあさんに姿を変えられる。人里を離れたソフィーは魔法使いハウルと出会い、彼の「動く城」に住み込む。戦火の中で、ソフィーとハウルは生きる楽しさを知り、愛をはぐくんでいく。声は倍賞千恵子、木村拓哉ほか。

スタジオジブリの作品は自然や気候、風土の描写が本当に美しい。今作も、透明感あふれる空、ピンクから紫へ微妙に色合いを変えていく日没前の雲の描き方などは、写真と見まがうほどだ。

子どもの目線で描かれることの多い宮崎アニメにあって、今回の主人公は「90歳の少女」。つえをつき、フーフーと息を上げながら歩くヒロイン像は新鮮。声優陣では、荒地の魔女役の美輪明宏が抜群の存在感を見せる。

【受賞歴】ベネチア国際映画祭コンペティション部門でオゼッラ賞(技術貢献賞)を受賞した。
「ギブリーズ episode2」

(2002年)

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ギブリーズ
【長さ】25分
【監督】百瀬義行
「猫の恩返し」

(2002年)

TSUTAYA→

猫の恩返し
【長さ】1時間15分
【監督】森田宏幸
【説明】ものすごい美人でもなく、部活や勉強に燃えている訳でもない。どこにでもいる普通の女子高生ハルが、ひょんなことから猫の国に迷いこんで大冒険!流されて、はじめて気づく真実もある、何気ない毎日も決して無駄ではない。ハルは、猫の国の冒険を通してほんの少しだけ成長したのだった。本作は、宮崎駿監督が『耳をすませば』のバロンやムタが出てくる話をと、原作者・柊あおいに原作を依頼し、新鋭・森田宏幸監督の手でアニメーション化したほのぼのファンタジーである。
「千と千尋(ちひろ)の神隠し」

(2001年)

TSUTAYA→

千と千尋(ちひろ)の神隠し
【長さ】2時間5分
【監督】宮崎駿

【評価と売り上げ】
日本のアニメ史上、最高傑作と評される。 実写を含めた全ての日本映画の中で、 トップクラスの傑作という人も多い。

その偉大さは、海外でも認められている。 英BBCが2016年に世界の映画評論家の投票で選んだ「21世紀の偉大な映画ランキング」では、 堂々の4位に入った。 2017年に米紙ニューヨーク・タイムズが選んだ「現時点での21世紀のベスト映画」で2位に選ばれた。

日本のアニメとして初めて米国アカデミー賞の長編アニメ賞に輝いた。ベルリン国際映画祭でも最高賞の「金熊賞」を獲得した(「ブラディ・サンデー」とのタイ受賞)。

商業的にも日本史上で最高の成功となった。 興行収入は「タイタニック」を追い抜き、 日本の興行収入記録を塗り替えた。(インフレを加味せず)

【説明】
宮崎駿監督が生み出したユニークな幻想的世界の作品である。 日本各地に伝わる民話を踏まえて作られたという。

題名の「千と千尋の神隠し」の「千尋(ちひろ)」とは主人公の少女の名前だ。 「千」とは千尋の呼称だ。 「神隠し」とは、子供が急に行方不明になることだ。昔、神のしわざだと考えられていた。

それまでの宮崎作品の主人公は、明るく前向きなキャラクターが多かった。 そして優れた能力を持っていることが多かった。 しかし、本作の主人公・千尋は映画の冒頭で、むくれ顔でしゃべる。ひ弱な体つきだ。 「普通の女の子」のイメージ。

そんな彼女が、1人で非日常的な別世界へと迷い込む。 様々な困難にぶつかるうちに、眠っていた力が呼び覚まされていく。 わずか数日の異次元体験の中で、大きな変化を遂げることになる。


【あらすじ】
10歳の少女・千尋は、両親と一緒に、都会から田舎へと引っ越すところだ。 転居先の家へと車で移動しているときに、不思議な山の中に迷い込む。 テーマパークのような昔の日本の町だった。 両親と離れ離れになってしまう。 行き着いた先はお風呂屋さんだった。 このお風呂屋さんは、様々なお化けが、疲れを癒すお店だった。 店を経営するのは、「湯バーバ」という魔女。千尋は、生き残るために湯バーバの下で働き始める。

【受賞歴】
2003年、米国アカデミー賞長編アニメ部門、2002年ベルリン国際映画祭金熊賞、2002年日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞。

2020年代2010年代2000年代1990年代1980年代ページの先頭↑

1990年代
作品名 あらすじ(ネタバレ注意)、解説など
「ホーホケキョ となりの山田くん」

(1999年)
TSUTAYA→

ホーホケキョ となりの山田くん
【長さ】1時間44分
【監督】高畑勲
【説明】ごくありふれた庶民的な三世代家族の山田家と、その周囲の人々の日常を、ほのぼのとしたギャグとそこはかとないペーソスとともに描いている。山田家の人々が繰り広げる、おかしくてほのぼのした温かいエピソードの数々が、人々の心を和ませる作品だ。いしいひさいち原作による四コマ漫画のエピソードを、巧みにつなぎ合わせて、高畑勲監督が長編アニメーション化。平凡な日本の家族像を様々なエピソードを織りまぜて、ユーモラスに描いたコメディアニメーションの名作である。
「もののけ姫」

(1997年)

もののけ姫
【長さ】2時間13分
【監督】宮崎駿
【説明】 宮崎駿監督が、56歳のときに発表した渾身の傑作。 監督自身が物語の構想に16年、製作に3年を費やした。「紅の豚」から5年ぶりの宮崎監督作。 宮崎アニメ初の本格的な「冒険時代劇」。

従来の時代劇と違って、物語は人と獣の戦い。 時代設定は室町時代。 森を切り開き、鉄を作る人間たちと、山犬やイノシシなど森を守る獣たち。 その両者の戦いを壮大なスケールで描いた。日本古来の民俗伝承や歴史的事実などからヒントを得たという。 宮崎監督ならではの現実とイマジネーションが入り乱れたような、巨大な物語の世界が広がっていくファンタジーの名作。 日本アカデミー賞の作品賞を受賞した。

製作費用に25億円が投じられた。 日本のアニメ史上最高の金額。 1994年の「平成狸合戦ぽんぽこ」(高畑勲監督)の2倍だった。 製作は、300人態勢で取り組んだ。

時代劇の定型を破り、庶民を主要な登場人物にした。公開に先立ち、宮崎監督は「侍と百姓が登場する日本の時代劇を開放したい」「黒沢監督の“七人の侍”以来、時代劇はこういうものという、呪(じゅ)縛を受けている。そうした殻を破りたい」と語っていた。 ディズニーと提携し、海外でも公開された。
【あらすじ】 舞台は日本の室町時代。その頃、日本は照葉樹林の森に覆われていたという。 東北の王家の末えい、青年アシタカはタタリ神に襲われ、腕に死ののろいをかけられた。のろいを解く方法を求め、西へ旅立ったアシタカは、山犬の神に育てられ、「もののけ姫」と呼ばれる少女サンに出会う。サンは、森を切り開いて鉄を作る人々を憎み、激しく戦っていた。 アシタカは両者の共存を訴えるが、争いに森の神の命を狙う集団や、製鉄場を狙う武士が加わり、壮絶な戦いが繰り広げられていく。
【受賞歴】 1998年の日本アカデミー賞の最優秀作品賞、毎日映画コンクール作品賞
「On Your Mark」

(1995年)
【長さ】7分
【監督】宮崎駿
「耳をすませば」

(1995年)
【長さ】1時間51分
【監督】近藤喜文
【説明】雫は、本が大好きなごく普通の中学三年生の女の子だ。その雫が、ヴァイオリン職人を目指す同級生・聖司と心を通わすようになる。 しかし、聖司は中学卒業と同時にイタリアに行って修業しようとしていた。彼への思いを深めるにつれ、改めて自分の将来について真剣に考えはじめる雫。まず一つの物語を書き上げることを決意。彼女も小さな一歩を踏み出すのだった。柊あおいの同名少女コミックを、近藤喜文監督でアニメーション化した青春恋愛映画の傑作である。
「平成狸合戦ぽんぽこ」

(1994年)
【長さ】1時間59分
【監督】高畑勲
【説明】舞台となるのは、東京・多摩丘陵。都市部の住宅難を解消するために建設されたニュータウンによって、住処を追われることになったタヌキたちが、自分たちの故郷を守るために人間相手に反撃を決意。人間たちを化かして、森から追い出そうとするのだが、思ったような成果が得られない。タヌキ達の未来はどうなるのか?人間ドラマの名手である高畑勲監督が、タヌキたちのおかしくも切ない戦いを痛快に描き出した、笑いと感動が詰まった一大エンターテインメントである。
「紅の豚」

(1992年)
【長さ】1時間33分
【監督】宮崎駿
【説明】本作の舞台は、第一次大戦後、世界恐慌による不況にあえぐイタリア・アドリア海。かつて空軍のエースだった男が、迫り来る新たな戦争を前に、再び「国家の英雄」になることを拒み、自分で自分に魔法をかけてブタになってしまう。男は賞金稼ぎとなって、地中海を荒らし回っている海賊ならぬ「空賊」とたたかうのだった……。宮崎駿監督が自ら原作、脚本を手がけ、「カッコイイ」ことにこだわり、しかも大空へのロマンをぎっしり詰めた不朽の名作である。
「おもひでぽろぽろ」

(1991年)
【長さ】1時間59分
【監督】高畑勲
【あらすじ】主人公は東京生まれ東京育ちの27才のOLタエ子。幼い頃から「田舎」に憧れを抱いていた彼女は、休暇を取って山形の親戚の家で農業体験をする。脱サラして有機農業をはじめたばかりのトシオや農家の人々に見守られながら、紅花から紅を作る作業を手伝い、普段とは違う充実感を感じていく。 しかしそんなタエ子に、なぜか小学校5年生の記憶が付きまとう。なぜ、今、小学校5年生のことを思い出すのだろう?不思議に思いながらも、大人でも子どもでもない“小学校5年生の自分”を振り払うことができずにいるタエ子。それらは「ちょっぴりダメな自分」を大人になったタエ子に無遠慮に突きつけてくるのだった……。
【説明】『おもひでぽろぽろ』は、同名の漫画を高畑勲監督の手によって、アニメーション化した名作である。原作に描かれた“誰もの心に響く懐かしいエピソード”に、タエ子と同世代の女性が共感する視点がプラスされた作品。27歳という年齢になったタエ子が、自分を見つめ直していく物語に多くの女性が共感したことだろう。 女性の内面をきめ細かく描き、いくつになっても小さなことで悩んだり、喜んだり、トキめいたりしてしまう女性の心情に寄り添い、懐かしくて少し胸がキュンとする『おもひでぽろぽろ』は、世代も時代も超えて今もなお愛される感動の物語である。
【受賞歴】1992年日本アカデミー賞話題賞受賞。

2020年代2010年代2000年代1990年代1980年代ページの先頭↑

1980年代
作品名 あらすじ(ネタバレ注意)、解説など
「魔女の宅急便」

(1989年)
【長さ】1時間42分
【監督】宮崎駿
【あらすじ】物語は13歳の小さな魔女・キキが赤いラジオをホウキの先にぶらさげて、黒猫のジジと一緒にひとり立ちの旅に出かけるところから始まる。そして大きな時計台のある街に降り立ったキキは、そこで出会ったパン屋のおかみさんの店の空き部屋に住むことになり、初めてのひとり暮らしを始める。初めての土地、初めて出会う人びと、初めての仕事、キキにとって何もかもが初めての経験だった。
【説明】多くのファンを持つ角野栄子原作の『魔女の宅急便』を宮崎駿監督ならではの脚色によってアニメーション化した、小さな魔女が主人公のファンタジーの傑作である。魔法使いとはいえ、キキができるのは空を飛べることくらい。それを除けば、初めてのひとり暮らしにワクワクしながら食器を買いこむところ、真っ黒な自分の服に不満そうにするところ、そんな姿はどこにでもいる「普通の女の子」 と何ら変わりはない。それに慣れない初仕事でほめられた時に喜ぶ姿や、自分が持つ能力について思い悩むキキを見ていると、どこか自分と重なり、思わず共感してしまう。宮崎監督はキキの空を飛ぶ魔女としての姿をファンタジックに描きながら、同時にどこにでもいる等身大の女の子として、小さな壁にぶち当たり、落ち込んだリスネたりしながらも、ほんの少し成長する様を丁寧に描いている。 『魔女の宅急便』は、キキを通して少女の旅立ちと自立を描いた、宮崎監督から今日を生きるすべての人にエールを送る応援歌である。
【受賞歴】1990年日本アカデミー賞話題賞受賞。1989年キネマ旬報・読者選出日本映画1位。
「火垂るの墓」

(1988年)
【長さ】1時間28分
【監督】高畑勲
【説明】高畑勲監督が劇場用アニメーションとして完全映画化した作品。心揺さぶられる物語である。舞台は終戦前後の神戸。町は執拗な空襲に絶えず脅かされていた。食べることさえままならない死と隣り合わせの極限状況で、親を失った幼い兄妹は、二人だけで戦火の中を生き抜こうとしたのだった。この映画は決して単なる反戦映画ではなく、戦争の時代に生きた、ごく普通の子どもが辿った困難を描いた不朽の名作と言えるだろう。
【受賞歴】ブルーリボン特別賞。シカゴ国際児童映画祭・最優秀アニメ映画賞を受賞。第1回モスクワ児童青少年国際映画祭・グランプリ
「となりのトトロ」

(1988年)
【長さ】1時間26分
【監督】宮崎駿
【あらすじ】郊外に越して来た少女サツキとメイの姉妹と、昔からその地に住むトトロたちの不思議な出会いを日常のエピソードと織りまぜながら、ゆったりとのどかに描かれてゆく。トトロと仲良くなったサツキとメイは、傘を貸したり、そのお礼に木の実をもらったり、一緒に夜空を飛んだりする。「となりのトトロ」で描かれたのは、こうした不思議な生き物との夢のような交流である。 トトロやネコバスなどの不思議な仲間たちは、子どもにしか見えない存在。大人には理解出来ない存在だが、子どもたちは言葉が通じなくても心を通わせ気持ちを伝えることができる。そうした関係のなか、トトロはサツキのピンチを救ってくれた。
【説明】「となりのトトロ」は、宮崎駿監督が贈るすべての子どもと大人のための心温まるファンタジーの名作。 郊外に引っ越してきた子どもたちと、子どもにしか見えない不思議な生き物たちとの心の触れ合いを描いた本作は、宮崎駿監督の地位を不動のものにし、本作に登場するトトロは、今やファンならずとも知らない人はいない、ジブリの代表的キャラクターとなった。草と土の匂いを放ちながら、清らかで楽しく、幸せな気持ちにさせてくれる『となりのトトロ』。不思議な事に子ども向けでありながら、大人が観ても癒され、素直に感動させられる。それは物語がサツキたちの繊細な気持ちの揺れ動きにしっかりと寄り添って描かれ、時に主人公に共感し、時に親の目線で見ることができるからかもしれない。『となりのトトロ』は大人と子どもも一緒に楽しめる、まさに永遠の名作アニメーションである。
【受賞歴】1988年キネ旬ベストテンで1位。読者選出でも日本映画1位。1988年毎日映画コンクールで作品賞(日本映画大賞)、大藤信郎賞をダブル受賞。
「天空の城ラピュタ」

(1986年)
【長さ】2時間4分
【監督】宮崎駿
スピード感あふれるアクションが展開する、宮崎駿監督によるアドベンチャーロマン。

 飛行船に乗っていた少女シータ(声・横沢啓子)は、突然海賊に襲われ船から転落してしまう。だが、身につけていたペンダントのお陰で身体が浮き、地上へと舞い降りていった。そんな彼女を助けたのは、地上の街で見習い機械工として働くパズー(声・田中真弓)。彼は目覚めたシータに、亡き父が見たという伝説の浮島ラピュタの話を聞かせる。パズーはその財宝の眠る島を見つけたいと思っていた。

 冒頭からアクションシーンてんこ盛り。波乱にとんだ展開は見る者を飽きさせない。古典的な冒険活劇でありながら、ヒューマニズムや環境問題など、宮崎作品ならではのメッセージが詰まっている。

【受賞歴】1986年毎日映画コンクールの大藤信郎賞を受賞、1986年ぴあテン 映画部門第1位。
「風の谷のナウシカ」

(1984年)
【長さ】1時間56分
【監督】宮崎駿
【あらすじ】人類の最終戦争から1000年、地球には高度に発達した産業文明の遣物と歪んだ自然、そしてひとにぎりの人類が生き残った。そのような世界で、人類はどのように生きながらえ、どのような思想を持とうとするのか。再びなぞられる人類の歴史、そして繰り広げられる戦闘。人類は、最後の地球絶滅の危機を前にしても、醜く争おうとする。 そこに登場する、木々を愛で虫と語り風をまねく少女ナウシカ。彼女は生きることの素朴な喜びを最も敏感に感じとれる少女である。本作は自分の生きる世界を、そして、ありとあらゆる命あるものを救おうとする少女のファンタジー・アドベンチャーである。
【説明】人は自然と共存することはできないのか。なぜ人は傷つけあうのか。宮崎駿監督は、反戦・反核・反自然破壊という重厚なテーマを真っ正面に掲げながら、老若男女、誰もが楽しめる冒険譚を展開する。 そして、同時に作品中に描かれたナウシカの愛機・メーヴェの滑空感や腐海に生息する植物の透明な美しさもまた私たちを惹きつける重要な要素である。 また腐海の番人である王蟲(オーム)の目の色と微妙なたたずまいの変化で表現される“感情”の起伏。静謐でどこか懐かしい風の谷の風景。丁寧かつダイナミックな描写の数々は、大人たちの心をも掴んで離さない。 『風の谷のナウシカ』は神聖な生き物、王轟とナウシカの奇跡的な出逢いを通じて、地球のそして人類をはじめとする生き物すべての未来を見通したスペクタクルとロマン溢れる感動の一大ドラマである。 そのテーマは環境汚染や自然破壊、エネルギー消費などの現代社会の抱える問題を正面から見据え、アニメーションというジャンルを超越し、広く社会に問題を投げかけた。本作は、現代人必見の作品として、永遠に語り継ぐべき名作といえよう。
【受賞歴】1984年キネマ旬報・読者選出日本映画第1位、1984年毎日映画コンクール 大藤信郎賞を受賞。

出典:
スタジオジブリ大解剖 (サンエイムック)

『月刊アニメージュ』の特集記事で見るスタジオジブリの軌跡―1984-2011 (ロマンアルバム)

キネマ旬報 2016年夏の増刊号 アニメーション特集(「ONE PIECE FILM GOLD」&「君の名は。」特集号) No.1723

スタジオジブリの歴史

「ジブリ」とは、イタリアの偵察戦闘機に使われていた名前で、サハラ砂漠に吹く熱風の意味。飛行機マニアの宮崎監督が名付けた。「風の谷のナウシカ」(1984年)の成功をきっかけに、高畑勲、宮崎両監督を中心として1985年に設立された。 第1作「天空の城ラピュタ」に続いて、1988年、「となりのトトロ」「火垂るの墓」を同時公開。当初は1作ごとにスタッフを集めていたが、1989年の「魔女の宅急便」が、日本映画でその年最高の配給収入21億7000万円の大ヒット。以降、質の高い作品づくりのため、スタッフを社員化し、組織を確立した。 その後の映画はヒットの連続。1997年の「もののけ姫」は、日本映画史上最高の配収113億円という空前の大記録を打ち立てた。